peugeotの妖精
s16というスポーツグレード。 フォルクスワーゲンでいえばGTI的位置付け。 いいクルマでした。 よく走り、よく曲がり、よく止まる。 私にとっては初めてのラテン系四輪車。 後輪のサスペンションはコイルスプリングではなくトーションバーでした。 ドイツ車のようにスパッと曲がるのではなく、 車体全部をつかってしなやかに曲がる感じ。 まさに猫足。 「早くて楽しけりゃ、あとはどうでもいいやん」という造り。 んー、なんてセクシーなデザイン。 ただしこのクルマ、良くも悪くもラテン的。 異音なんか当たり前で、「プジョーには妖精が住んでいる」とよく言われます。 いつもどこかでなにがしか変な音がしている。 低回転でのエンジン音はガサツだし、4人乗ったら自慢のリアサスはキュッキュッと音をたてる。 パワーウインドウだって壊れてるんじゃないかと思うぐらい派手なモーター音がします。 フロントドアを勢いよく開け閉めするとリアウインドウが割れそうに「バチャン!」っていう。 でも、いいんです。楽しいから。 で、今乗ってるVWルポ。 306とは対照的に質実剛健な造り。 ボディー剛性もバッチリ。 正確に走って止まります。 ところが最近妖精が住み着いた。 運転席側のドアに。 ドアをあけるとき、キュッ、キュッ、キュッ、と3回鳴きます。 必ず3回。 結構な音量で。 人が振り返るぐらい。 さあ、修理。 これぐらいがちょうど良いレベル。 ドアヒンジのラッチロッド部分から潤滑油を吹き込んでも変化なし。 ピョッ、ピョッと元気に鳴きます(-_^) ドア内張りを外します。 防水のスポンジは外したくないのでスピーカーを、 と思ったらリベットでとめてある。 必ずと言っていいほど訪れるこういうハードル。 どうしたものかと暫し考えてみても、外すしかない。 ドリルでリベットを切って取り外し。そこからドアの中を覗くと… ラッチ機構の本体がすぐそこにあります。 ここが音の発生源。 ライトで照らして構造を頭に入れて、潤滑油噴射。 愛用の潤滑油はワコーズのフッソオイル。 本当はスプレーグリスなのでしょうけど無かったのでこれで代用。 何度か繰り返すうちに音が止まりました。 嬉しい。 機械は正直で素直。 これだからやめられん。 つぎは組み立て。 ネジ止めの受けは先日交換したバンパーについていたクリップナットを使用。 ドアの内側に見えるサイドインパクトビームはなんとアルミ無垢材。 スピーカーはmade in tunisia チュニジア製。 北アフリカの国から来たのか、このスピーカー。 建築用のステンレスビスで固定。 内張りを元どおりに戻して完成。 ひとり満足感に浸ります。 作業の中盤に、ニヤニヤしながら妻が持ってきてくれた自家製赤シソジュース。 「幸せそうやねぇ」みたいなこと言ってたな。 確かにこういうことをしている時はこの上なく幸せ。 完成したクルマを眺めながら飲み干しました。]]>